トランプ氏「ＮＡＴＯ防衛義務守らぬ」

海外

2024.02.12

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トランプ氏「ＮＡＴＯ防衛義務守らぬ」

トランプ氏「ＮＡＴＯ防衛義務守らぬ」

トランプ前米大統領は、再選される場合、北大西洋条約機構（NATO）の防衛義務を順守しない可能性を示唆した。この発言は、国防費をGDPの2%以上に増やしていないNATO加盟国を対象に、ロシアの意向を支持するよう奨励する内容であった。これは南部サウスカロライナ州での集会で述べられ、NATOの集団安全保障を定める北大西洋条約第5条の重要性に反するものである。この条約は、一つの加盟国が攻撃された場合、それをNATO全体への攻撃と見なし、防衛義務を負うと定めている。トランプ前大統領のこのような姿勢は、ロシアによるNATO加盟国への侵攻を事実上容認すると受け取られかねない。

トランプ前大統領は、NATO加盟国による国防費の不足を問題視しており、GDP比4%への増額を求めた経緯がある。2023年のNATOの推計では、2%以上の目標を達成する加盟国は半数以下にとどまる。また、トランプ前大統領は大統領在任中、国防費の支払いを滞らせている加盟国は防衛しないと述べていた。さらに、ウクライナへの軍事支援についても、米国による支援継続に慎重な立場をとり、欧州の不公平な依存を批判している。

これに対し、ホワイトハウスは、前大統領の発言を強く非難し、「ロシアによる同盟国への侵攻を奨励するのは恐ろしく、異常なこと」と述べた。バイデン大統領は同盟国との関係修復を重視し、米国の指導力を強化し、国家安全保障を守り続けるとしている。バイデン大統領は11月の大統領選に向け、民主党の候補者指名が確実視されており、トランプ前大統領との再戦が予想される。選挙戦では、ウクライナや中東を巡る外交政策が主要な議題となる見通しである。