【増税メガネと呼ばれても…】岸田ビジョンの実現性

国内

2024.03.19

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【増税メガネと呼ばれても…】岸田ビジョンの実現性

【増税メガネと呼ばれても…】岸田ビジョンの実現性

岸田文雄首相が田中角栄元首相の在職日数を超え、戦後首相の中で9位にランクアップした。彼の政治生活は、就任前の「岸田ビジョン」で語られた処世術によって、長期間維持されてきた。岸田首相は、政治家として感情的にならず、批判を笑って受け流すことの重要性を説く。しかし、「増税メガネ」というレッテルに関しては、その姿勢を貫くことが難しいようだ。彼は国民に負担を求める政策に対して慎重になっている。

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日本の経済はバブル崩壊後、停滞からの脱却のチャンスを迎えている。しかし、定額減税やガソリン補助金などの施策は続き、国防強化や少子化対策の財源は依然として不透明である。税制や社会保障の大規模な改革は、ほとんど議論されていない。バイデン米大統領やスナク英首相は、住宅購入や子育ての負担軽減のための施策を進める一方で、大企業や富裕層への増税を実施している。これに対し、日本は公的債務残高のGDP比率が米英の2倍以上という厳しい状況にある。エデルマンの調査では、日本の政府に対する信頼度は主要28カ国中24位にとどまっている。

東京財団政策研究所の調査によると、多くの国民は増税に強い反発を示し、政治や行政の改革を強く望んでいる。しかし、政府関係者の雇用者比率は5%未満であり、社会保障の効率化などに比べ、行政の無駄を省く改革の効果は限定的である。経済的合理性と政治的実現性の両立には、歳出削減、社会保険料率の引き上げ、増税を含む複数の政策パッケージの提示、行政サービスの受益の可視化、財政や社会保障に関する情報格差の解消など、工夫が必要である。竹中治堅教授は、公平性の確保と超党派の議論を通じて、国民の納得感を高めることの重要性を強調している。